腰椎すべり症について
当院は腰椎すべり症で悩む患者様がその症状を克服するために来院されます。
腰椎すべり症は生活習慣の積み重ねで徐々に腹圧が抜けていくことで起こる現象です。ですので、当院では腰椎すべり症の克服手段として、積極的に「腹圧回復」に取り組みます。
腹圧が整うことで腰椎を前滑りさせる要因がなくなり、腰椎すべり症の症状に変化が生まれていくからです。
腰椎すべり症とは?
まず、 腰椎すべり症とは「腰椎が前方へ滑ることによって生じる症状」を指します。
椎間板がヘルニア状態になる「椎間板ヘルニア」や脊柱管が狭窄を起こして起こる脊柱管狭窄症と同じ系統の疾患です。診断名が起こった現象そのものを指しています。
腰椎すべり症とは「腰椎が前方へすべった事で起こる症状全般」だとシンプルに受け止めましょう。余り難しく考えると「自分はひょっとして重たい疾患になったのか。。。」と余計に不安を深めてしまうことになります。
腰椎すべりも腰椎すべり症もそんなに複雑な疾患ではありません。
腰椎すべりの原因について
腰椎すべり症の根本的な原因である「腰椎のすべり」ですが、その原因は主に「腹圧の減少」となります。
腹圧が減少する事によって腰椎はその支えを失います。その結果、ズルズルと腹圧が最も抜けている方向(主におヘソ方面)へと前滑りを起こします。そうなると今度は身体は弓なりに反ってしまい、後方へと傾いていきます。
そうなると身体はペターンと後ろに反り返るだけです。それを防ぐためにインナーマッスルである「大腰筋」が腹筋群の代わりに頑張ります。
すると今度は大腰筋に身体が引っ張られすぎないようにと背筋が頑張ります。本来は腹筋と拮抗する役割を果たしていた背筋が大腰筋との拮抗関係に入るのです。もうこの時点で身体は「不自然」な状態に入ったといえるでしょう。
大腰筋の支えは腰椎すべりを起こす
大腰筋による代償作用は思わぬ副作用を生み出します。
それが腰椎のすべりです。
大腰筋は元々股関節を曲げるための筋肉であり、脊柱を支える筋肉ではありません。その大腰筋が脊柱を支える役割を代償した場合、大腰筋は支えとして緊張し、そして付着部の腰骨を股関節に向けて引っ張り込みます。
これが腰椎前弯を作り出すメカニズムです。
腰椎すべりは腰痛と同じ仕組み
私達が悩まされている腰痛ですが、基本的にはこれも腰椎すべりと全く同じメカニズムと考えてください。日本人の腰痛は「大腰筋の緊張」がもたらしたものです。
私は臨床で大腰筋が緊張していない腰痛患者さんを殆ど見たことがありません。それは腰椎すべり症の場合も同様です。臨床で出会った患者様全員が大腰筋の緊張を抱えていました。
腰椎すべり症を克服する2大ポイント
ですので、腰椎すべり症を克服するポイントは主に二つ。
- 腹圧を如何に回復させるか
- 大腰筋を如何に緩めるか
この二つを改善させることで腰椎すべり症の多くは変化が起こります。色々な対策をして変化が見られないという方の場合は「腹圧」「大腰筋」の二つにうまくアプローチできていないという事です。
そんな時は自分の取り組みをもう一度見直してみましょう。
- その取り組みの目的は何か?
- その取り組みの内容は何か?
- しっかり説明通りにこなせているか?
頑張っているのに、効果が出てこない。そんな場合は大抵が「見様見真似」で取り組んだ結果「本来使うべき筋肉が使えていない」ケースです。
「1日○分、これで腰椎すべり症を克服!」系統の体操はきちんと内容を理解したうえで取り組まないと「形は同じ・内容が別」の運動になってしまいます。また、体操に取り組む前に基本的な「動き」が取れる状態でないと効果が出ない場合もあります。
体操や体操器具は基本的に「身体をしっかり使える人」を前提にしている部分がありますので、身体に歪みが生じている人が素直に取り組む事で余計にバランスが崩れるケースも多いです。
犯人は腹圧と大腰筋で間違いない
腰椎すべり症はとにかく「腹圧」と「大腰筋」でほぼ間違いありません。様々な情報に混乱をする場合もあると思いますが、デトックスにおける「うんち」と「おしっこ」みたいなものだと考えてください。
デトックスも色んな形のデトックス、様々な理論のデトックスがありますが、人間のデトックス(老廃物や不要物の対外排出)は「うんち」と「おしっこ」で9割以上を占めています。
つまり他の細かいデトックスはどんなに頑張っても単体では0.5割いけば良い方です。それなら「うんち」と「おしっこ」だけに集中して9割以上のデトックスをモノにしましょう。
それと同じ事が「大腰筋」と「腹圧」に言えるという事です。