【過去記事】産後の骨盤矯正で来院されるママへ

有名雑誌の骨盤解説は忘れてください

来院されるママさんの殆どが骨盤矯正に関して大きな誤解をされています。

  1. 産後は必ず骨盤矯正をしないとダメ
  2. 骨盤を矯正すればそれで大丈夫
  3. 骨盤矯正は美容に良い

ママ向け雑誌の骨盤特集が主な情報源の様で、ほぼ全員のママさんのイメージはこの様なものです。ですが。。。。

全然違います。

1.産後は必ず骨盤矯正をしないと駄目なのか?

A:必ずでは無いです

産後の骨盤矯正でお問い合わせを頂くママは誰もが「産後は骨盤矯正をしないと駄目」という認識をお持ちです。理由は「出産で骨盤が開いたから、それを戻さないといけない」というもの。

確かに出産で骨盤は「かつてない程」に短時間で複雑に動きます。ですが、それは出産という生理現象に伴う変化であって、人間の身体にとって「自然な変化」です。

日常生活の中でこれくらいの動きが「日常的に」起これば明らかに異常ですが、出産においては「普通」なのです。

出産における骨盤の開きは自然現象であり、また自然と戻る機能も人間には備わっています。ですので、骨盤の調整は必ずしも必須という訳ではありません。

じゃあ、産後のケアは必要ないという事か? それはまた別の話になってきます。そこを産後ママには知って頂きたいのです

2.骨盤を矯正すればそれで大丈夫なのか?

A:大丈夫じゃないです

産後ママに多い誤解の一つが「骨盤矯正をすれば全てが解決する」というものです。

産後の自分に残っている問題は「骨盤の歪みだけ」という前提なんですが、ここが大きな誤解なんです。

骨盤は出産後、時間を待てるならゆっくりと戻っていきます。産後ママがケアすべきは骨盤ではなく、骨盤に繋がる周辺の組織であり関節です。何せ産後ママが悩む様々な症状は骨盤よりもその周辺が生み出しているケースが圧倒的に多いのです。

  1. 腹圧の問題
  2. 股関節の問題
  3. 周辺筋の問題

産後ママが向き合うべきは正にここなんです。骨盤は後回しでもいい。骨盤だけを整えてこれらの周辺問題が解決するほど、妊娠期間中に根付いたものは甘くありません。

妊娠期間中にママの身体はゆっくりと妊娠用の身体へと変化していきます。それは「赤ちゃん最優先」の姿勢なので、「ママを思いやった姿勢」ではありません。

その「ママには辛い姿勢」が出産後も残っているのが問題なのです。そして、それは骨盤によって引き起こされるものではなく、妊娠期間中の妊婦姿勢によるものなのです。

何故か産後は骨盤が悪者にされているのです。

本当は出産における、最大の功労者なのに!!

問題の本質に目を向けよう

出産によって最も大きな変動を起こすのは骨盤です。それは間違いありません。ですが、産後ママにとって最も大きな問題は「短時間で大変動を起こした骨盤」ではなく、「妊娠中にゆっくり変化を起こし、定着した周辺組織」だと覚えておいてください。

短時間で変化を起こした組織は短時間で戻ります。ですが、長期間の中でゆっくり変化を起こして根付いたものは、戻るのもゆっくりじっくりです。

自然回復を待つととても時間が掛かり、生活に支障がでかねない。だからこそ、産後のケアが必要なのであり、それは「骨盤矯正」ではなく「その周辺組織」のケアにあると知ってください。

私は色んな場所で伝えていますが、産後の骨盤矯正とは「整骨院が自費診療を導入する為に作り出した新たな市場」に過ぎないのですから。

昔からカイロプラクティックや整体が行っていた「骨盤を含めた全身の産後ケア」から骨盤矯正のみをピックアップしてできたものなのです。

3.骨盤矯正は美容に良いのか?

A:微妙な話です

骨盤矯正を美容技術として活用する院が増えてきました。その為か産後ママの方にも「骨盤矯正=美容」といったイメージが定着してきた様です。

  1. 骨盤矯正でダイエットができる
  2. 骨盤矯正でサイズダウンが図れる
  3. 骨盤矯正でホルモンバランスが整う

色々なメリットが謳い文句として使われています。

骨盤矯正でダイエット?

骨盤矯正でダイエットができると思っている産後ママも多いです。骨盤矯正で代謝が上がってどうこうという謳い文句がありますが、基本的には「誤差の範囲」だと考えてください。

筋トレでダイエット、というのと同じです。効果は「0」ではありませんが、1㎏落ちたといった㎏単位での変化はそれ単体ではまず起こりません。 実際に骨盤矯正ダイエットを行っている院では必ず並行する取り組みがあります。

  • 耳ツボ
  • サプリメント併用の食事制限
  • 運動

基本的にダイエットの大原則は「摂取カロリーと消費カロリー」のコントロールです。骨盤調整で代謝が上がったとしても基礎代謝に100キロカロリーも上乗せされません。

「食べる」と「動く」がダイエットの9・5割を占めていると考えてください。

これはデトックスと同じです。「汗でデトックス」という言葉がママの中に多いですが、デトックスは「うんち」「おしっこ」で9割以上が完結しています。 汗は0.5割くらいあればいい方です。

汗の中にも僅かに老廃物が含まれてはいますが、汗本来の役割は「体温調整」であり、熱を気化熱として活用する為の触媒に過ぎません。

ママ向けの情報にはこういった「嘘ではないけど、正しくもない」情報が本当に溢れていますのでご注意ください。

2.骨盤矯正でサイズダウン?

骨盤矯正でサイズダウンが起こる事は多々あります。ですが、これも骨盤矯正だけで起こる訳ではありません。身体に起こっている様々な事に対して働きかける必要があります。

  1. 抜けた腹圧を戻す
  2. 下垂した内臓を戻す
  3. 呼吸筋を整える

骨盤の矯正を行う前に「骨盤を矯正できる環境」を整える必要があります。そうしないと骨盤矯正をしても、その効果の持続性が無くなってしまうからです。

そして、ママが喜ぶサイズダウンとはまさにこの過程で生まれます。骨盤矯正でサイズダウンをするのではなく、その事前準備の段階でウェストが引き締まっていくのです。

これがズボンのサイズダウンの仕組みです。骨盤矯正でサイズダウンを実現したと言えなくもないですが、本質的には少し違うんですね。

3.骨盤矯正でホルモンバランスが整う

最近、若い女性でも自律神経系の狂いが多くなっているせいか「ホルモンバランスの調整になる」という謳い文句が増えてきました。

骨盤部位には確かに副交感神経が出てきますので、自律神経のバランス調整に骨盤矯正が効果的なのはあるでしょう。

ですが、ここでもやはり「骨盤矯正単体」でのそこまでの効果はどうかと思います。

  1. 副交感神経の出口:後頭関節の調整
  2. 脊椎の交感神経節への調整
  3. 副交感神経の出口:仙骨の調整

ここまでやってこそ、初めて「ホルモンバランスの調整」を狙えるレベルになると思うのです。

骨盤矯正はあくまで「バランス調整の1要素」に過ぎません。それ単体で全てを変えられる魔法?の骨格では無いのです。

骨盤矯正の結論

色々と産後の骨盤矯正について解説をしましたが、その理論も院ごとに全く異なってきます。結局は「施術者の哲学」によるものなのです。

当院の場合は「骨盤矯正を含めた周辺組織のケアが重要」となります。

手技療法は最後は「人と人」の問題になりますので、ママが納得いく理論の先生に骨盤ケアを任せるのが一番良いでしょう。

今は集客が過剰な時代ですので「ここなら安心だわ!」と納得のいく説明がされている院ばかりだと思います。

ですが、情報の提供側は「こう書けば安心して来てくれるよね」という狙いがあって文章化をしているケースが殆どですので、自分だけで判断をせずに家族の目も通して冷静に判断してみてください。

  • 「受けてみないとわからない」
  • 「話してみないとわからない」

これが結局は最後に辿り着く結論なんですけど。。。(笑

吹田市千里丘で産後骨盤矯正を検討されている方はお気軽にご相談下さい。