ボディメカニクスとキネティックチェーン
ボディメカニクスとは主に介護用語として利用されていますが、これはそのまま「キネティックチェーン」と置き換えても良いと思います。狭義のキネティックチェーンは「筋膜」「筋連鎖」「筋の連動」といった筋肉中心の話ですが、私が定義しているキネティックチェーンはもっと広義です。
俊カイロのキネティックチェーン
筋肉を中心にして関節や重心との位置関係を全て組み込んだ「トータルとしての身体の動き」をチェーン構造と捉えています。つまり、「骨」「筋肉」そして「関節」の力学的な相互関係を紐解く事を「キネティックチェーンの理解」であると考えましょう。
その先にある世界
ボディメカニクス、広義のキネティックチェーンを紐解いた先にあるのが「余分な力を使うことなく、必要最小限の力と動きで理想的な運動エネルギーを生み出す」という事です。早い話が
- 身体が軽い
- 疲れない
- 前と同じ感覚で動かしているのに何か違う。
こういう身体を手に入れるという事です。それも何か特別な事をしている訳ではなく、ただ日常を過ごすだけでです。
ボディメカニクスの7原則
- 支持基底面積はより広く
- 重心位置は低く
※安定のため。重心は低い程に安定する。腰が高いと上半身が、腰が低いと下半身が運動の主役となる - 重心移動はスムーズに
※力の摩擦・衝突は防ぐ。持ち上げるより滑らせる様に。 - 対象に重心を近づける
- てこの原理を使う
- 身体を小さくまとめる
- 大きな筋群を使う
余分な力を使わず無理のない姿勢
支持基底面
人間の動きを理解する上で非常に重要な点です。
「重量を支える為に、床と接している部分を結んだ範囲」
と考えましょう。
バランスを保つための必須条件として「支持基底面の中に重心を置く」というものがあります。バランスを崩して倒れてしまうのは必ず「支持基底面から重心が離れた」結果だと考えてください。
という事は、転倒防止には。。。
支持基底面の中に重心を置いておけばバランスを崩して転倒することはまずありません。そうなると転倒予防の理想とは・・・・
「支持基底面をより大きくする」
という事になります。
ノルディックポール、杖、ハイハイ運動は正に「支持基底面の拡大」に一役買っているという事です。
杖の支持基底面
とても良い図があったので紹介します。
画像引用:http://ur2.link/NOHs
正しい杖のも
運動の法則
運動の第1法則:慣性の法則
「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」
宇宙空間がまさにそう。
運動の第2法則:運動の法則
「力=質量×速さ」
加速度とは力に比例し、質量に反比例するというもの。
運動の第3法則:作用・反作用の法則
いわゆる反力のこと。
押せ(作用)ば押し返され(反作用)、引け(作用)ば引っ張り返される(反作用)こと。
この1対の作用と反作用には特徴がある
- 力の大きさが等しい
- 正反対の向き
- 同一作用線上にある
つまりは「釣り合う力」という事。
運動量保存の法則
物体Aと物体Bの運動量の和は衝突の前後で変わらない
とてもわかりやすいGifアニメがあったので紹介します。
画像引用:http://ur2.link/NOJ1
遠心力
円運動をしている物体が受ける慣性力の一。円の中心から遠ざかる向きに働く力をいう※反対の力は「向心力」
画像引用:http://ur2.link/NOJy
- 「青線」:遠心力
- 「赤線」:向心力
とても分かりやすい解説があったので紹介します。
慣性力
慣性系に対して加速度運動をしている座標系の中で、物体の運動に現れる見かけ上の力。例えば、カーブを曲がる車の中にいる人を外側に傾けさせる力など。
by デジタル大辞泉
重心
その物体の重量の中心点。シーソーでいう支点部分。立位姿勢の人の重心は骨盤の中にあります。
良く、重心の下に圧中心点があって、バランスを保つ為には支持基底面に圧中心点が入っている必要がある、という話がありますが「圧中心点=重心」でいい様な気がします。
重力
「知らない」という事は無防備であるという事です。
腰、首の痛み
トーヌスが抜けて下の椎骨に体重を乗せてしまうから。受け止める椎骨が固定し、前湾状態の筋肉は緊張が取れなくなる。
支えているというより「はまっている」に近い状態となる。
披露しやすい部位
- 腰椎3~4番
- 頚椎4~5番
固定を起こす椎骨=前湾の起点と終点
- T12-C1~腰椎4-5番
- OCC~頚椎7~胸椎1
画像引用:http://ur2.link/NOGK