その4:ヘルニア直後はどうすればいいの?
椎間板ヘルニアを発症した直後は冷静でいられる人はまずいないでしょう。
「自分の身体に何が起こったの?」と頭は大混乱になるはずです。
私の場合は「ヘルニアではないだろう、ヘルニアではないはずだ」ととにかくヘルニアを否定する自分が強かったと記憶しています。
「ヘルニア=再起不能」というイメージが強かったからだと思います。
今から考えると随分と短絡的な考え方だなぁと思いますが、ヘルニアという言葉自体殆ど知らなかった自分には「腰痛以外の何か」は全てが不治の病に感じられていたのです。
方法1:痛くない姿勢を探しましょう。
これはぎっくり腰の対処と同じです。
椎間板ヘルニアの症状が出たときはとにかく「痛みが治まる姿勢」を探すことから始めましょう。
「どの姿勢をとっても痛い」というのは想像以上にストレスです。
まずは落ち着ける場所を探すことが先決です。
神経痛の場合は「とんでもなく痛い」状態と「嘘みたいに痛みが消えている状態」のオンオフが非常に明快です。
方法2:安全地帯で冷静になりましょう
「痛くない場所・姿勢」を見つけたらまずは一息つきましょう。
深呼吸をして気持ちを落ち着けるのです。
まずは自分の置かれている状況を冷静に分析して
- 「自分の身体に何かが起こった」
- 「いつもの腰痛とは明らかに違う何か」
- 「何かがいつもと違う」
という現実を受け止めましょう。ここでパニックを起こして無理に身体を動かすと症状をどんどん悪化させてしまい回復が遠のいてしまいます。
方法3:痛みが出る角度を探しましょう
椎間板ヘルニアの場合は痛みが出てくる「姿勢・角度」というものがかなりわかりやすいです。
一定の角度から腰を曲げると途端に症状が出てくる。
その角度から離れると途端に痛みが消えていきます。
本当に嘘みたいになくなるのです。
これは腰痛やぎっくり腰にはない神経痛特有の症状の再現性です。
ですので、自分の身体はこれ以上曲げるとマズイ、これ以上伸ばすとマズイ、といった「動かせる範囲」と「動かしてはいけない範囲」をしっかりと調査しておきましょう。
自分の行動範囲が広がるという事は「自分のコントロールできる生活範囲」が広がるという事です。
それはそのまま生活上の安心・余裕につながります。
方法4:生活経路を確保しましょう
椎間板ヘルニアの症状が出た場合、ぎっくり腰同様に「日常生活が崩壊」し始めます。
発症の直前まではいとも簡単にできていたことが途端に全くできなくなる。特にトイレ、お風呂、部屋の移動。果ては着替えまでが困難になっていきます。
そこでまずは最低限の生活導線を作ってしまいましょう。
- 「トイレにはどういくか」
- 「水分補給はどうするか」
- 「お風呂はどうしようか」
など。経験者としては「トイレまでの経路」だけは真っ先に考えるべきです。
食事や水分補給は何とでもなりますが、トイレは座るまでが一苦労。座ってからが一苦労。用を足してから一苦労と無事に着いてからも困難が溢れています。
方法5:職場や学校、友達に報告をしましょう
ある程度自分の状況を整理できた場合、関係者に連絡をしましょう。
社会人であれば職場・上司に報告を。学生の場合は担任、友達に報告をしましょう。
両親が共働きの場合は両親にももちろん連絡が大切です。
椎間板ヘルニアはぎっくり腰以上に「共感」を得にくい疾患です。
経験している人がぎっくり腰や腰痛に比べて圧倒的に少ないのです。
その為、こちらから積極的に情報を発信しなくては「何をサボっているの」と心無い一言を言われるケースも出てきます。