1.女性の肩こり
女性が悩む自覚症状のNO1が「肩こり」です。女性は男性に比べて神経質な人が多いせいか「気苦労」「気遣い疲れ」といった精神的な「居心地の悪さ」から肩こりが起こるケースが多く感じます。
基本的に「血流障害」です。
肩こりは基本的に筋ポンプの機能不全による「血流障害」が原因と考えてください。
- 痛いわけではない
- 重だるい
- ズーンと重たい感じがする
- 範囲が首から肩にかけて広い
ピンポイントで痛い場合は別として、広範囲に渡ってどんよりとした重さが常にある。そういう場合はほぼ「血流障害」です。
肩こりのメカニズム
- 気苦労で常に緊張状態にある
- 自律神経が交感神経優位へと傾く
- 筋肉は常に軽い緊張状態に入る
- 末梢・内臓への血流が遮断される
- 血圧が常に高めになる
- 体液循環が滞っていく
書きだすと細かいですが、早い話が「肩の筋肉が休めない状態」です。常に緊張することで筋肉への栄養補給が滞ってしまう。消費ばかりで補給が間に合っていない状態です。ですが、急性では無いのでゆっくりと「重だるい感覚」がやってきます。
肩の筋肉がヘロヘロに
肩こりの起こっている肩は「酸素不足に栄養不足」でヘロヘロです。交感神経の力で何とか維持しているだけですので、すぐにバテてしまいます。疲れやすいという事ですね。
だるい肩こりの対処法
当院での血流障害タイプの肩こりへの対処法は以下の通りです。
- 血液・リンパの循環促進
- 筋肉の再調整
- 関節の再調整
- 神経の再調整
- キネティックチェーンの回復
この流れで調整を行う事で重だるい肩こりの改善を図ります。
- 1.血液・リンパの通り道を開く
- 2.血液・リンパのポンプを正常にする
- 3.ポンプの効率を最大化する
血液の通り道を整え、血液ポンプを再調整する事で肩こりは自然と改善していきます。肩がこる理由がなくなるからです。
しつこい肩こりは原因が環境にある
身体を調整しても肩こりが中々抜けない場合、まず原因は「人間関係」や「目の前の大役」などの「胸に圧し掛かるストレス」です。その場合は身体の調整だけでなく「原因環境の自覚と向き合い方」を少し改める事で徐々に回復していきます。
環境を変えようと頑張って肩こりが抜けないケースが多いですので、変えようがない環境にどう適応していくかを考える訳です。
2.肩が上がらない(四十肩・五十肩など)
肩が一定の角度から上がらない、痛い。何か引っかかるような感じがする。夜に仰向けで寝てるだけなのに痛みが走る。でも肩関節は綺麗だ。これは病院で四十肩・五十肩と診断をされるケースです。
この場合はレントゲン検査やエコー検査によって「肩関節の状況」を確認する事が大切です。関節内に骨棘や石灰化の兆候があったり、関節包内に明らかな炎症が起こっていないかを整形外科で確認してもらいましょう。カイロプラクティックが得意とするのは「関節には異常が無いのに腕が上がらない」という場合です。
関節に異常が無いなら肩甲骨が原因
肩関節の骨に異常が無いにも関わらず、腕が上がらない。それは肩甲骨が動いていないケースが多いです。
- 骨には異常が無い
- 関節内には異常が無い
- 肩の硬結が著しい
- 「痛い」というより「詰まる」感覚がある
- 無理に腕を上げようとすると身体が傾く
- 50度くらいまでは問題なく上がる
これはもう肩甲骨が連動しておらず、肩関節の動きを全て腕で行おうと無理をしている典型例です。この状態で「動かさないと肩が固まる」とリハビリに取り組むのは要注意です。多くの場合、不自然な肩の運動が重なり、余計に痛みが増すケースが出てきます。
当院の対処法:肩甲骨の開放
この「腕が上がらない」現象を私は四十肩とは呼んでいません。「肩甲骨の機能不全」と呼んでいます。いわゆる肩のキネティックチェーンが外れている状態なのです。本来なら複数の筋肉が連動して実現している肩関節の運動が、1~2つの筋肉で無理やり実現しようとしている状態と言えます。その原因が「肩甲骨の固定」です。
ですので、肩関節の問題として捉えず「肩甲骨の問題」として考えます。まずは固定を起こした肩甲骨の可動性を取り戻すことが大切です。
肩甲骨はがしで変化を感じましょう
肩甲骨の可動性を取り戻すには「肩甲骨はがし」が最適です。自宅でも簡単に取り組めるものばかりなのでまずはそこから始めます。仮に肩の運動制限が大きい場合は「ストレッチポール」等を利用して楽にできる方法を模索していきます。
一般的な方法で取り組めない場合は「自分でも取り組める方法を探す」という事がとても大切です。この意識の持ち方自体が「不定愁訴を克服する相棒」として本当に頼りになります。
変化を感じる事が大切です
肩こりや四十肩の場合、「なるべく早く改善しよう」と焦る人が多いですが、焦りは禁物です。それよりももっと手前の段階として「からだに変化が起こる」事をしっかり感じ取って下さい。人間は感情の生き物ですので「あ、変わってきた」と変化を実感できれば気持ちが一気に前に向きます。